SESの多重下請け構造をわかりやすく解説|二次請け・三次請けと単価の関係を徹底解説

この記事の結論
SESの多重下請けは、案件がクライアントから複数の企業を経由して現場に届く構造で、階層が増えるほどマージンが積み重なり単価に影響します。
- 多重下請けは元請け→一次請け→二次請けと段階的に流れる
- 階層が増えるほど現場への還元率は下がる傾向がある
- 契約書や面談で自分の階層をある程度把握できる
📖 読了時間:約9分
案件の話をしていて「二次請けです」「三次請けです」と言われても、実はよく分かっていない。そんなエンジニアは少なくありません。
結論から言うと、多重下請けとは、クライアントが発注した案件が元請け→一次請け→二次請け…と複数の企業を経由して現場のエンジニアに届く構造のことです。
例えば、クライアントが元請けのSIerに月100万円で発注した案件が、一次請け・二次請けを経由して自分の会社に届く頃には月70万円になっている、というのはよくあるケースです。
なぜこの構造が生まれるのか、自分がどの階層にいるかを把握する方法も含めて以下で詳しく解説します。
こんな悩みはありませんか
- 多重下請けの仕組みがよく分かっていない
- 自分がどの階層で働いているか分からない
- 下請け構造が悪いことなのか判断できない
- 案件を選ぶときに何を確認すればいいか分からない
この記事で分かること
- 多重下請けとはどういう仕組みか
- 元請け→一次請け→二次請け→三次請けの流れ
- 各層でマージンが乗る仕組み
- 自分がどの層にいるか把握する方法
- 下請け構造を見抜くためのポイント
この記事を読めば、多重下請けの仕組みと自分の立ち位置の把握の仕方が具体的に分かります。まずは無料でスキルログに登録し、自分の経歴を整理するところから始めてみましょう。
多重下請けとは、1つの案件が発注元から複数の企業を経由して現場の技術者に届く構造のことです。IT業界、特にSESでは3〜4層になることも珍しくありません。
なぜ多重下請けが起きるのか
クライアントは大手SIer(元請け)に一括で発注し、SIerは自社の人員だけでは不足するエンジニアを、協力会社(一次請け)経由で調達します。この調達の連鎖が続くことで、階層が積み重なっていきます。
元請け→一次請け→二次請け→三次請けの流れ
案件はクライアントから元請けへ、元請けから一次請けへ、一次請けから二次請けへと段階的に流れます。契約は基本的に隣り合う企業同士で結ばれ、クライアントと現場のエンジニアが直接契約することはありません。
具体的な流れの例
| 階層 | 立場の例 | 契約金額の例 |
|---|---|---|
| クライアント | 大手事業会社 | 月100万円で発注 |
| 元請け | 大手SIer | 一次請けへ月85万円で発注 |
| 一次請け | 中堅SIer | 二次請けへ月70万円で発注 |
| 二次請け(自社) | SES企業 | エンジニアの給与ベースへ反映 |
表の通り、階層が1つ進むごとにマージンが差し引かれます。三次請け・四次請けまで進む案件では、クライアントの発注額に対して現場への還元率がさらに下がる傾向があります。
各層でマージンが乗る仕組み
各社は案件の管理・営業・契約リスクの対価としてマージンを得ています。マージン自体は業界の商習慣として一般的ですが、階層が増えるほど積み重なって大きくなります。
マージンが積み重なるとどうなるか
1社あたり15〜20%のマージンでも、3社経由すれば単純計算で半分近くが差し引かれることになります。同じスキルでも、経由する会社数によって受け取れる金額が大きく変わるのはこのためです。
例えば、同じ実務経験3年のエンジニア2人がいた場合でも、一方が二次請け案件、もう一方が四次請け案件に参画していると、月の手取りで5〜10万円ほどの差が生まれることも珍しくありません。
自分がどの層にいるか把握する方法
所属企業に直接聞いても正確な契約金額までは教えてもらえないことが多いですが、面談や契約書の記載から、自分がどの階層に近いかはある程度推測できます。
面談で確認できること
案件の面談時に「直接契約ですか、それとも他社を経由していますか」と質問することで、階層の見当をつけられます。答えを濁す企業は、階層が深い案件を扱っている可能性があります。
契約書で確認できること
契約書に記載された契約先企業名が、実際に案件を発注しているクライアントと異なる場合、自社とクライアントの間に少なくとも1社挟まっていることが分かります。
例えば、契約書には「A社との業務委託契約」と書かれているのに、実際に常駐しているのはB社のオフィスで、B社の社員から指示を受けている、というケースでは、AとBの間に少なくとも1社が介在していると推測できます。
単価と中間マージンの関係については、SESとは?多重下請け・商流・単価の仕組みをエンジニア目線で解説【2026年版】でも詳しく解説しているので、あわせて確認してください。
下請け構造を見抜くためのポイント
案件を選ぶ際は、階層の深さだけでなく、業務内容や条件とのバランスで判断することが大切です。階層が浅くても業務内容が合わなければ意味がありません。
階層の深さより重視すべきこと
階層が浅い案件ほど条件が良い傾向はありますが、それ以上に「担当できる業務内容」「今後のキャリアに活きる経験か」を優先して判断する方が、長期的には満足度が高くなります。
実際の相談でも、階層の浅さだけを基準に案件を選んで、業務内容が合わず早期に離脱してしまうケースが見られます。商流と業務内容の両方を確認することが重要です。
案件選びの前にスキルシートを整えておく
階層の浅い好条件の案件ほど、応募が集中しやすい傾向があります。案件が決まりやすいエンジニアは、事前にスキルシートを整えて、声がかかったタイミングですぐ提出できる状態にしています。
SES・Webエンジニア向けの記載例は【SES・Webエンジニア向け】スキルシートの書き方|市場価値を高める5つの具体例でも紹介しているので、あわせて確認してください。
まとめ
多重下請けとは、案件がクライアントから元請け・一次請け・二次請けと複数の企業を経由して現場に届く構造です。階層が増えるほどマージンが積み重なり、現場への還元率は下がる傾向にあります。
自分がどの階層にいるかを把握し、階層の深さだけでなく業務内容とのバランスで案件を判断することが、納得感のある働き方につながります。
ここまでの内容を踏まえて、まずは自分の経歴やスキルを整理するところから始めてみましょう。
よくある質問(FAQ)
多重下請けは何次請けまであるのが普通ですか?
二次請け・三次請けまでが一般的ですが、案件によっては四次請け以上になることもあります。階層が深くなるほど現場への還元率は下がる傾向があります。
多重下請け自体は違法ではないのですか?
多重下請け自体は一般的な商習慣であり違法ではありません。ただし、契約実態が偽装請負にあたる場合は問題になります。
自分の契約先が何次請けか、確実に知る方法はありますか?
契約書や発注書に記載された企業名を確認するのが最も確実です。所属企業に直接質問することも有効です。
下請け構造がある案件は避けるべきですか?
一概に避けるべきとは言えません。業務内容やスキルアップの機会が魅力的であれば、階層が多少深くても選ぶ価値はあります。
SESと多重下請けは必ずセットになるものですか?
必ずしもセットではありません。元請け企業と直接契約するSES案件もあり、その場合は階層が浅く現場への還元率も高くなる傾向があります。
商流の仕組みを理解したら、まずはスキルログで自分の市場価値を整理し、次の案件選びに活かしましょう。


