SESとは?多重下請け・商流・単価の仕組みをエンジニア目線で解説【2026年版】

この記事の結論
SESは客先常駐で働く契約形態で、単価は多重下請け構造や中間マージンの影響を強く受けるため、仕組みを理解しておくことが重要です。
- SESの単価は多重下請けの階層数に左右される
- 契約形態は準委任・派遣・請負で指揮命令が異なる
- 商流を把握し市場価値を可視化することが立ち回りの鍵
📖 読了時間:約12分
SESで働き始めたものの、自分の単価がいくらで、どういう仕組みで決まっているのか分からない。そんなエンジニアは少なくありません。
結論から言うと、SESは「客先常駐で働き、契約はSES企業と結ぶ」という働き方で、単価は元請けから何社もの仲介を経て決まる「多重下請け構造」の影響を強く受けます。
例えば、クライアントがSIerに月100万円で発注した案件が、一次請け→二次請け→自分の所属企業と3社を経由すると、実際に自分に払われる給与のベースとなる単価は60万円台まで下がっていることも珍しくありません。
なぜこの仕組みが生まれるのか、契約形態やメリット・デメリット、損をしないための立ち回りまで以下で詳しく解説します。
こんな悩みはありませんか
- 自分の単価がいくらなのか教えてもらえない
- 多重下請けや中間マージンの仕組みがよく分からない
- 準委任・派遣・請負の違いを説明できない
- 今の契約が適正なのか判断できない
この記事で分かること
- SESという働き方の基本的な仕組み
- 商流と多重下請け構造の実態
- 単価と中間マージンの関係
- 準委任・派遣・請負の契約形態の違い
- SESで損をしないための立ち回り方
この記事を読めば、SESの働き方と商流の仕組みが具体的に分かります。まずは無料でスキルログに登録し、自分の経歴やスキルを整理するところから始めてみましょう。
SES(システムエンジニアリングサービス)とは、自社と契約するエンジニアを、クライアント企業のオフィスや現場に常駐させて技術力を提供する契約形態です。指揮命令はクライアントではなく自社の管理者が行う点が特徴です。
客先常駐の具体的なイメージ
例えば、A社に所属するエンジニアがB社のオフィスに毎日出社し、B社のシステム開発チームの一員として働く、というのが典型的なSESの働き方です。給与や評価はA社から受けますが、日々の業務指示はB社のプロジェクトリーダーから受けることもあります。
自社開発・受託開発との違い
自社開発は自社サービスの開発が中心、受託開発はクライアントの要望に沿ってシステムを作り納品する形態です。SESはこれらと異なり、成果物の納品ではなく「技術力の提供」自体が契約の目的になります。
SESの商流と多重下請け構造
SES案件の多くは、クライアントから元請け企業へ発注され、そこから一次請け・二次請けと複数の企業を経由して現場のエンジニアに届きます。経由する企業が増えるほど、各社が中間マージンを差し引くため、現場の取り分は目減りします。
商流の具体例
| 階層 | 契約金額の例 | マージンの例 |
|---|---|---|
| クライアント→元請け | 月100万円 | - |
| 元請け→一次請け | 月85万円 | 元請けが15万円を差し引く |
| 一次請け→二次請け(自社) | 月70万円 | 一次請けが15万円を差し引く |
| 自社→エンジニア(給与ベース) | 月45〜50万円程度 | 自社が20〜25万円を差し引く |
表はあくまで一例ですが、契約金額の100万円に対して、現場のエンジニアに還元される割合は半分以下になることも珍しくありません。この差額が「中間マージン」と呼ばれるものです。
自分がどの階層にいるか把握する方法
所属企業に確認しても正確な契約金額は教えてもらえないことが多いですが、「二次請け」「三次請け」といった立場だけでも把握しておくと、単価交渉や転職判断の材料になります。面談で商流について質問しても答えてくれない企業は、注意が必要です。
単価と中間マージンの関係
中間マージンの相場は一般的に1社あたり10〜30%程度と言われています。経由する企業数が多いほど、同じ経験・スキルでも受け取れる給与は下がる傾向にあります。
マージンが発生する理由
各社は、案件の管理コストや営業活動、契約リスクを負う対価としてマージンを得ています。マージン自体が不当というわけではありませんが、階層が多すぎる案件は現場への還元率が低くなりがちです。
マージン率が妥当かを見極める視点
同程度のスキル・経験を持つ知人と条件を比較したり、フリーランスエージェント経由の同種案件の単価と比べてみることで、自分の契約がどのくらいの位置にあるかを把握しやすくなります。
契約形態(準委任・派遣・請負)の違い
SESで多いのは「準委任契約」です。派遣契約とは指揮命令の主体が異なり、請負契約とは成果物への責任範囲が異なります。3つの違いを理解しておくと、自分の契約内容を正しく確認できます。
3つの契約形態の比較
| 契約形態 | 指揮命令 | 成果物への責任 |
|---|---|---|
| 準委任(SESで多い) | 自社の管理者 | 業務遂行が対象、成果物責任なし |
| 派遣 | クライアント側 | 業務遂行が対象、成果物責任なし |
| 請負 | 自社の管理者 | 成果物の完成に責任を負う |
注意したいのは、契約上は準委任なのに、実態としてクライアントから直接指揮命令を受けている「偽装請負」に近いケースです。日々の指示を自社の管理者ではなくクライアントの担当者から受けている場合は、契約と実態が食い違っている可能性があります。
SESのメリット・デメリット
SESのメリットは幅広い現場を経験できること、デメリットは単価が中間マージンの影響を受けやすいことです。両面を理解した上で、自分に合った働き方かを判断することが大切です。
メリット:多様な現場経験を積める
案件ごとに異なる企業・技術に触れられるため、未経験からでも実務経験を積みやすいのがSESの強みです。実際に、未経験からSESで3年経験を積み、フリーランスへ転向するエンジニアも多く見られます。
デメリット:単価が上がりにくい構造がある
多重下請けの階層が多い案件に配属されると、スキルが上がっても単価に反映されにくいことがあります。これがSESに対する不満の代表的な原因の1つです。
SESで損をしないための立ち回り
契約内容と商流を把握し、スキルシートで自分の市場価値を可視化しておくことが、損をしないための第一歩です。定期的に条件を見直す姿勢も欠かせません。
契約更新時に確認すべきこと
契約更新のタイミングでは、単価だけでなく、担当業務の内容や商流に変化がないかも確認しましょう。実績を積んでいるのに単価が据え置きの場合は、交渉や転職を検討する材料になります。
市場価値を可視化する重要性
自分のスキルや経験を客観的に把握するには、スキルログのようなサービスでスキルシートを整理し、市場価値を確認する方法があります。案件を紹介される前にスキルシートを整理しておくと、良い条件の案件を見極めやすくなります。書き方の基本は【見本あり】エンジニアのスキルシートの書き方完全ガイド|項目・記載例・NG例【2026年版】でも解説しています。
なお、スキルシートを提出しても案件が決まらない場合は、書き方自体に改善の余地があることも多く、スキルシートが通らない理由7選|案件が決まらない人のNGと改善法も参考にしてください。
SESでの働き方自体に強い不満があり、正社員転職を検討している場合は、【SESはやめとけ?】エンジニアがSESを辞めるべき理由と成功する転職方法 5選もあわせて確認してみてください。
まとめ
SESは客先常駐で働く契約形態で、単価は多重下請け構造や中間マージンの影響を強く受けます。準委任・派遣・請負の違いを理解し、自分の契約内容を把握しておくことが、損をしないための第一歩です。
SESという働き方そのものは、幅広い現場経験を積める点で大きなメリットがあります。仕組みを正しく理解した上で、自分のキャリアにとって最適な立ち回りを選んでいきましょう。
ここまでの内容を踏まえて、まずは自分のスキルや経験を整理し、市場価値を把握するところから始めてみましょう。
よくある質問(FAQ)
SESの働き方で給料が上がらないのはなぜですか?
多重下請けの階層が多い案件では、契約金額のうち現場のエンジニアに還元される割合が減るため、スキルが上がっても給与に反映されにくいことがあります。
SESと自社開発の違いは何ですか?
SESは客先に常駐して技術力を提供する契約形態、自社開発は自社サービスの開発が中心の働き方です。指揮命令の主体や案件の多様性が異なります。
自分の契約が偽装請負にあたるか不安な場合はどうすればいいですか?
日々の指示を自社の管理者ではなくクライアントの担当者から直接受けている場合は、契約と実態が食い違っている可能性があります。所属企業の営業担当や信頼できる第三者に相談しましょう。
SESの中間マージンは何%くらいが相場ですか?
1社あたり10〜30%程度が一般的とされています。経由する企業数が多いほど、現場への還元率は下がる傾向にあります。
SESで働きながら単価を上げることはできますか?
可能です。スキルの向上に加えて、上流工程への参画や、契約更新時の交渉、より商流の浅い案件への切り替えなどが単価アップにつながります。
SESという働き方について理解を深めたら、まずはスキルログで自分の経歴を整理し、次の一歩を考えてみましょう。


